ホームページを作る前の調査では、何を調べるのですか?
お客様になりそうな人が実際に検索している言葉を調べます。競合サイト3社の作り、地域や季節の動き、いまのサイトのアクセス解析の実データもあわせて確かめます。調べものの多くはAIが速く進めます。ただ、私たちは速く出た答えほど疑い、別の説明がつかないかを3つの方向から確かめます。そのうえで、誰に向けたホームページにするかを人が決めます。
- 店側の思い込みと、実際に検索される言葉はずれることがある
- 検索語の調査と競合3社の比較は、AIが速く進める
- 対抗仮説を3つ当ててから、狙う人を人が決める
お客様は、本当にその言葉で検索している?
調査の出発点は、お客様が実際に打ち込んでいる言葉です。店側が検索されたい言葉ではありません。
架空の味噌蔵の例では、店主は「味噌、で検索されたい」と話していました。長く味噌をつくってきたお店として、その気持ちはよく分かります。
ところが、蔵を見に来そうな人の検索を調べると、少し違う言葉が打ち込まれていました。探されていたのは味噌そのものより、「週末に行ける場所」や「おみやげ」だったのです。物語の中では、説明用のイメージとして「諏訪 おみやげ」「長野 週末 体験」のような言葉を並べています。
検索される言葉の調査は、AIが得意とする作業です。候補になる言葉を集めて、どれがよく探されていそうかを比べます。そして、店側の思い込みとのずれを一覧にします。ずれが見つかれば、ページで何を前に出すべきかが変わります。
地域や季節の動きも、あわせて調べます。物語では、Webマーケターが「蔵見学 予約」の検索が冬だけ伸びていることに気づきました。そこで、見学の案内をページのいちばん手前に出しました。いまのホームページがお客様の探し方と合っているか、一緒に確かめてみませんか。
競合サイトとアクセス解析では、何を見るの?
競合サイト3社を比べ、いまのサイトの実データも確認します。自分たちの立ち位置と現状を、数字で押さえるためです。
競合サイトを比べる目的は、他社のまねをすることではありません。同じ地域や業種の中で、まだ誰も言っていないことを見つけることです。比べる相手は3社です。ページの構成や打ち出している強み、問い合わせや予約までの道のりを並べます。
比べた結果は、AIが表に整理します。人はその表を見ながら、ヒアリングで聞いたお店の強みと照らし合わせます。そして、競合がまだ書いていない強みを拾い出していきます。
すでにホームページがある場合は、アクセス解析の実データを確認します。どのページがどんな言葉で見られているかを確かめます。前の年と比べて増えたのか減ったのかも、記憶や印象ではなく数字で見ます。
ここで疑うのは、お店の状況だけではありません。私たちが実際に出会った例があります。ネットショップの「購入されました」という記録が、何年も解析の画面に届いていませんでした。原因は、たった1行の書き忘れです。問い合わせの完了が裏で2回ずつ数えられ、成果が倍に見えてしまうこともあります。これも、よくある落とし穴のひとつです。
数字そのものが間違っていれば、その上に立てた計画もずれていきます。そのため私たちは、実データを読む前に、まず測り方が正しいかどうかを確かめています。
この確認は、公開したあとも続きます。私たちの事務所では、アクセスが前の年より落ちたサイトを、夜のうちに仕組みが見つけ出します。朝になってから人がその内容を読み、手を打つかどうかを判断しています。
なぜ「対抗仮説を3つ」立てるのですか?
別の説明を、3つの方向から当てています。最初に思いついたもっともらしい説明で、決めつけないためです。
AIはこうした調べものがとても速く、出てくる答えもそれらしく整っています。ただ、速く出た答えほど私たちは疑います。「それは本当に、そう言えるのか」を確かめる工程を挟みます。
当てる方向の1つめは、自分たちの側に理由があるのではないかという見方です。ページの書き方や季節の商品、価格などがこれにあたります。2つめは、世の中の側に理由があるのではないかという見方です。連休や天気、話題になった番組などです。
3つめは、測り方に理由があるのではないかという見方です。計測の漏れや二重カウントを疑います。候補を挙げるのはAIも手伝います。ただ、3つの方向から当ててもくずれない説明はどれかを見極めるのは人です。残った説明だけを、次の設計の前提にします。
思い込みが、データでほどけることもあります。送料のルールを見直すために、実際の注文データを調べた例が私たちの記録に残っています。送料無料かどうかを決めていたのは、金額ではなく重さでした。
- 自分たちの側:書き方・季節の商品・価格
- 世の中の側:連休・天気・話題の番組
- 測り方:計測の漏れ・二重カウント
誰に向けたホームページにするかは、誰が決める?
調べた結果を並べるのはAIです。狙う人を決めるのは、お客様の現場を知る人です。
調査が進むと、候補になるお客様の姿がいくつも見えてきます。そこから誰に向けたホームページにするかを選ぶのは、データだけでは決めきれない判断です。
物語の中で、AIだけに同じ味噌蔵のページを作らせてみました。AIは通販のお店だと思い込み、「商品一覧を見る」ボタンを置いたページができあがりました。本当に来てほしかったのは、週末に蔵を見たい人です。
AIは、そのページを本当に使うのが誰なのか、その手ざわりを持っていません。私たちは調査の結果を、お客様と一緒に見ます。ヒアリングで聞いた本音と照らし合わせて、狙う人を決めます。迷ったときは、現場に戻って話を聞き直します。
狙う人の暮らし方は、広告の使い方にも響きます。物語では、週末の予定を決めるのは木曜と金曜だと考えました。そこで、見学の広告をその2日だけ配信すると人が判断しました。AIが計算するのは入札の候補までで、お金の使いどころを決めるのは人です。
狙う人が決まれば、次の設計で何をどの順番で見せるかも決まります。自社のホームページがいまどんな言葉で見つけられているのか、気になる方はお気軽にご相談ください!
AIと人の分担
この段階の6工程のうち、AIが主に担うものが4、人とAIで進めるものが1、人が担うものが1です。
AIAIが担うこと
- お客様が検索しそうな言葉の収集と比較
- 競合サイト3社の構成と強みの比較表づくり
- 連休や季節による検索の動きの調査
- アクセス解析の実データの集計
- 対抗仮説の候補出し
人人が担うこと
- 計測の漏れや二重カウントがないかの見極め
- 3つの対抗仮説のうち、どれが残るかの判断
- ヒアリングで聞いた本音と調査結果の突き合わせ
- 狙う人を決めて、お客様と合意する
この段階の6工程
- 06
検索される言葉の調査 AI
お客様になりそうな人が実際に打ち込んでいる言葉を、AIが集めて比べます。店側が検索されたい言葉とのずれを見つけ、ページで何を前に出すかの材料にします。
- 07
競合サイト3社の比較 AI
同じ地域や業種の競合サイトを3社選びます。構成・強み・問い合わせまでの道のりを比べます。まねるためではなく、まだ誰も言っていないことを探すための比較です。
- 08
地域・季節の動きの調査 AI
連休や行事、季節によって検索される言葉がどう動くかを調べます。味噌蔵の例では、「蔵見学 予約」の検索が冬に伸びていました。それが、見せ方を決める手がかりになりました。
- 09
アクセス解析の実データ確認 AI
いまのサイトのどのページが、どんな言葉で見られているかを実データで確かめます。あわせて計測の漏れや二重カウントがないか、測り方そのものも点検します。
- 10
対抗仮説を3つ立てる AI×人
もっともらしい説明で決めつけないよう、別の説明を当てます。方向は、自分たちの側・世の中の側・測り方の3つです。候補出しはAI、どれが残るかの判断は人が担います。
- 11
狙う人を決める 人
調査結果とヒアリングで聞いた本音を照らし合わせ、誰に向けたホームページにするかを決めます。データだけでは決めきれません。そのため、現場を知る人がお客様と一緒に判断します。
よくある失敗
店側が検索されたい言葉だけで決める
店側の言葉でページを作ると、お客様が実際に打ち込む言葉とずれます。これでは見つけてもらえません。味噌蔵の例でも、探されていたのは「味噌」より「おみやげ」や「週末に行ける場所」でした。
AIの調査結果をそのまま信じる
AIの調べものは速く、結果もそれらしく整っています。しかし、もっともらしい1つの説明で決めつけると、本当の理由を見落とします。対抗仮説を当てずに進めてしまうのは、AI任せで起きやすい失敗です。
解析の数字を疑わずに使う
測り方が間違っていると、その数字の上に立てた判断もすべてずれます。問い合わせが2回ずつ数えられ、成果が倍に見えるような落とし穴もあります。だから、数字は測り方から疑います。
調査についてよくある質問
ホームページがまだない場合も、調査はできますか?
できます。アクセス解析の実データはありませんが、ほかの調査はできます。検索される言葉や競合サイト3社、地域や季節の動きは、ホームページがなくても調べられます。そのぶん、ヒアリングでうかがったお客様像と照らし合わせる比重が大きくなります。
競合を調べると、似たようなページになりませんか?
競合を比べる目的は、まねることではなく違いを見つけることです。同じ地域や業種で、各社が何を打ち出しているかを並べます。すると、まだ誰も言っていないことが見えてきます。そこに、取材で聞いたそのお店だけの事実を重ねて、ほかとの違いをつくります。
アクセス解析を入れていないのですが、問題ありますか?
制作を進めるうえでの支障にはなりません。これまでの数字がないぶん、過去との比較はできません。公開の前に、アクセス解析のタグや問い合わせ完了の計測を設定します。公開後は、前年の同じ月と比べられるように準備します。
調査の結果は見せてもらえますか?
はい、ご覧いただきます。誰に向けたホームページにするかは、お客様と私たちで決めます。調べた結果は、その判断の材料としてお見せします。